この手法は、メッセージを端的に強く伝えることが大切です。
ただし、一度レンズの前に立ってみれば分かるのですが、ムービーレンズを見て喋るという行為には、強い緊張感を伴います。周りの人も全員が自分を見ています。一般の方には怖い物事です。ですから、出演者、特に素人の方やモデルさんのためには、できるだけレンズの近くに私がいるようにします。
カメラマンはファインダー(ビュアーモニター)を見ていますので、トークする方は私、もしくは私の近くのレンズに向かって喋る形となります。語りかけもレンズの近くでします。できるだけ緊張を解き、カメラ(レンズ)の持つ冷たさを少しでも消して、あたたかく人間化するようなアプローチです。
子供(幼児)などの撮影の場合は、向かい合う人間たちの視線を出来るだけそのお子さんに感じさせない工夫をしています。また子供との対峙は、まずこちらの視線の位置を下げて、同じ高さになってコミュニケートすることも大切だと考えています。
タレント、俳優の方々の場合、その方が一番やりやすくかつ力強くメッセージできるように態勢を整え、現場を進行させます。